というわけで、自分もチームの一員として関わったライブドアブログの新CMSがリリースされました。一言にリニューアルといってるけど、これはそんな程度のものじゃなく、新しくサービスを1つ立ち上げるくらいの力の入れかたで進めてきました。URLのドメイン名からして違ってるところからも、その力の入れようは察してもらえると思います。

リリース後は早くもいろいろな反響をいただいています。
その中には、好意的なものもあれば、もちろん否定的なものも少なくありません。
もちろん、そうなるであろうことは、プロジェクトの立ち上げ当初から想定されていました。

ここには、ある一定規模以上のユーザーを抱えるWebサービスを運営する側に共通のジレンマがあると思います。膨大な数のユーザーの中には、一日に何本も記事を書いてそこから収入を得ているようなヘビーユーザーもいれば、コツコツと自分の日記を更新するようなライトなユーザーもいます。そして、どちらのユーザーもあらゆる意味においてサービスにとっては大事であり、そんなユーザー全てにとってより良いサービスを提供したい、という思いで日々開発しているわけですが、実際にそれら全てのユーザーに納得してもらえるような答えは、まず存在しないといっていいでしょう。

そしてそれはユーザー全体という大きな話だけでないのです。
まず、今回のリニューアルにあたっては、コンセプトリーダーであるsasakillが明確な思想を持っていました。これはもう強力で揺ぎない軸として存在していて、プロジェクトのメンバーは皆それに賛同し、それを具現化するためにCMSはどうあるべきかというのを徹底的に、本当に徹底的に話し合ってきました。その中で、ある1つの機能の実装について意見が分かれることもしょっちゅうで、その1つのことだけで何時間も議論するなんていうのも日常茶飯事でした。
 
ここで1つの具体例なんですが、新CMSでは記事編集画面の右側にアップロードした画像のサムネイルが並ぶようになっていて、ここからクリック1つで記事に貼りつけることができます。ここでは、実はリリースの1週間前までは、サムネイルを直接クリックすると貼りつけられて、サムネイルの下にあるリンクをクリックすると画像情報を編集するダイアログを開くという仕様になっていました。が、そんな直前の時期になって、それに違和感を覚えるようになってしまった僕は、それをメンバーに話して議論しました。結果として、サムネイルクリックでダイアログ、貼りつけはその下にボタンを用意する、という実装に変更することになりました。

これを読んで、変更前の仕様のほうが良かったんじゃ?と思うユーザーも大勢いるだろうことはもちろん想像できます。なぜなら、そこで議論に加わった5,6人の間でも、意見が真っ二つに割れたからです。結果として変更された仕様と変更前の仕様とで、どちらがより多くのユーザーの支持を得られるか、実際のところはわかりません。僕は実際には少数派なほうの提案をしてしまったのかもしれません。ですが、僕はその変更が正しいと思ってメンバーに話し、徹底的に話した上で皆が納得し、結果それを採用することになりました。これは全体からすれば些細なことですが、その機能がどうあるべきか、どんなツールをユーザーに提供したいか、ということについてはとにかく妥協したくない、という思いを象徴するエピソードだと思います。

先ほども書いたように、今回のリニューアルは明確なコンセプトの元に進められてきました。これは、単に目新しさを狙っただけの化粧直し的なリニューアルとは全く違います。200万人のユーザーはもちろん誰1人として切り捨てられませんし、そしてそれらユーザーはそれぞれ200万通りの使いかたでライブドアブログを使っていただいているわけで、それらユーザー全てに"1発で"納得してもらえるようなリニューアルは不可能なのは先にも書いた通りです。ですが、sasakillが考え、僕たちが考えたライブドアブログの方向性をメッセージとして受け取ってもらえたなら、きっと新CMSも多くのユーザーに気にいってもらえるだろうと信じています。

もちろんコンセプトを押しつけるだけではただの運営者のエゴになってしまいますから、ユーザーからの意見や批判については、常に謙虚に耳をかたむけていくつもりです。そうしてユーザーのみなさんから吸い上げた内容が元になって、コンセプトがブラッシュアップされていき、ライブドアブログが正しい方向に進化していくのです。これからのライブドアブログのために、ユーザーのみなさんのお力をお貸しいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

それと、最後に肝心なところですが、コンセプトはたいそうだけど品質はどうなんだ?というご指摘もあるかと思います。実際のところ現状の新CMSは「これがライブドアクオリティなの?」と問われると、お恥かしいレベルの完成度でしかありません。ここはまさに自分が担当するべき領域ですので、一日も早く、みなさんにストレスなく快適にご利用いただけるレベルに到達できるよう、開発を続けてまいります。しばらくはご不便をおかけすることも少なくないかと思いますが、なにとぞご容赦いただけましたらと思います。