本当はあんな結果が出るよりずっと前から書こうと考えてた内容なんだけど、そうこうしてるうちに結果が出てしまった。さらにその後もなかなか記事としてまとめる時間が取れなくて今やだいぶタイミングを逸した感もある。でも今を逃がすともうなかなか機会はやってこないと思うし、べつに今おれが言う意味があるとも思えない内容ではあるのだけど、自分の考えを整理しておくためにも、やっぱり書いておくことにした。

※以下は、主に堀江さんをよく知らない人 (自分含む) 向けです。知ってる人には退屈な内容かもしれないので途中で閉じてもらってけっこうです。長いし。
表題にある通り、現在ライブドアに在籍しているおれですが、入社したのは旧ライブドアから分社化した新生ライブドアが誕生して1年後、当時は堀江さんについてはなんの思い入れもなかった。

もっとさかのぼって事件前、良くも悪くもライブドアが世の中で注目を浴びていた頃はというと、古い価値観を次々と更新していくホリエモンの快進撃を、最初は心の内で応援してはいたものの、やがてあまりにも急激に大きくなっていったライブドアを見ていて、自分も同じWeb業界で仕事をしていて見知ってるエンジニアもいたし世間で言われてるような虚業ではないことはもちろんわかっていたわけだけど、だからこそそう言われるようなイメージが付いてしまったのは堀江さんの無節操な(と思えるような)拡大戦略のせいだと考えるようになり、おれの中でも次第に彼のイメージが悪くなっていった。まあ今思えばもちろん、おれ自身もマスコミの偏向報道に影響されてもいたのも否定できないとは思う。

そうしてあの事件が起き、堀江さんは逮捕され、ライブドアは上場廃止となった。事件のことについてはここでどうこう書くつもりはないけど、あのとんでもない騒動の中をとにかくライブドアのコアの部分を支える人たちはくぐり抜けて生き残り、それを外から見ていた自分もその後、縁あってこうしてそこに加わることになった。

当時はまだ会社として堀江さん個人と係争中だったこともあってか、実際には特にタブーだったというわけでもないんだろうけど、社内で彼の話題を聞くことはほぼ皆無だった。まあ現場で働いている社員にとっては良い悪い以前にもうすでに過去のことだからってのが一番の理由だったんだと思う。

ただ、外からはそれなりに彼の名前を聞かされることはあった。
かつてのライブドアを良く思わない人からは
「ホリエモンがいなくなっても何も変わってないんですね」
「しょせんホリエモンの会社だからしょうがない」
逆にかつてのライブドアは良かったという人からは
「ホリエモンがいなくなって勢いがなくなった」
「ホリエモンがいたらこんな問題は簡単に解決してた」
というふうに。

そんなわけで、昔のライブドアを批判するやつも賛美するやつもいて、どっちもとにかくうざかった。
「うるせーなー、今のライブドアは今のメンバーが動かしてるんであってホリエモンのいた頃とは別物なんだよ。おれは昔のライブドアは知らないけど今のライブドアのほうがきっとずっといい会社になってるよ。」って思ってた。

ただ、それでもやっぱり堀江貴文は無視できない存在だった。ぶっきらぼうで歯に衣着せぬ彼の言葉は、でも確かに示唆に富んでいてかつどうにも惹きつけられてしまう魅力があり、その考え全てに共感できるわけではなかったけども、時に大きく頷かざるを得ないことも少なくなかった。そうしてそんな彼の言葉をブログやツイッターで読んでいるうちに、だんだんとおれの中にあった彼に対する変な引っかかりみたいなものが消えていき、もっと素直にその言葉を受け止めるようになっていった。そしてその結果見えてきたのは、彼が本当に愚直なくらい正直で誠実な人なんだということだった。

建前やしがらみによってぼやかされている物事の本質について、誰に遠慮するでもなく真っ直ぐに核心を突いてくる。様々な問題について「そんなのこうすればいいじゃないか」という確固たる考えを持っていて、あるのかないのかわからない理由によって誰もそれを実行しようとしないのであれば、自分がそれをやればいいじゃないか、と考えて実際にそれをやる。当時はなんでそんなにいろいろ手を広げるのか理解できなかったし、ただ拡大することが目的なのだろうと多くの人が考えていたと思うけど、そういうことではなかったのだ。以前から彼は「金儲けは目的じゃなくてあくまでも手段」ということを一貫して主張していたけども、それも建前や綺麗事じゃなくて本気でそう思ってて、なによりも自分のイメージする理想を実現することこそが彼の本当の目的なんだということもあらためて理解した。

いや、実は今ごろ理解したとかじゃなかった。かつてホリエモン快進撃を好意的に見てた最初の頃は、そういうことをわかってたからこそ応援してたんじゃなかったか。それなのに、堀江さん自身は少しもブレてなかったのに、それを見ていたこちら側が、いつのまにか歪んだフィルターを通してしか彼を見れなくなって、そうした彼の本質を見失なってただけだった。そして今になってそれを思い出しただけのことだった。同じように、かつて彼を応援していたのにそれを忘れてしまった人はまだまだたくさんいると思う。そういう人は、自分が彼を見る目に何らかのフィルターがかかっていないかどうか確かめた上で、もう一度彼のことを見てみるといいと思う。

そしてそんな彼が指摘する様々な今の日本の問題、これからの世界の行方、そして人は今後どう在るべきか。時にはすごい極論だなと思うこともあるけど、でも彼でなくては言えなかったこと、彼が指摘しなければ誰も気づけなかったことが、これまでにもたくさんあったし、まさにこれから、震災を経て様々なことがリセットされ、新しい価値観を構築していこうと模索している今の日本において、誰に遠慮することも妥協することもなく、何事に対してもいわばマジレスを貫き通す彼のような存在は絶対に必要なはずなのだ。その彼がこれから2年半もの間不在になることは大きな損失だと思うし、彼が今のような状況となってしまったことが残念でならない。

そうはいっても、たとえ収監されることがなくとも今のホリエモンにいったい何ができる?と彼に批判的な人は訝しがるだろう。だが、そういう人たちにはおそらく想像もつかないだろうけど、政治や経済の著名人の中でも彼のことを正当に評価してその発言に注目してる人は少なくない。彼自身が表舞台に立たなくても、彼が何か問題提起をすることで議論が起こり、結果として世の中がちょっと変化するという形で、社会に影響を与えることは可能だし、彼自身は収監された後もメルマガ等で発信し続けることを公言しているので、今まで通りとはいかないまでも、今後も実際にそれはありうるだろうと思う。

最近の堀江さんの発言を見ると、判決には不服はあっても刑を受けることにはもう開き直ってそれを受け入れているふうなのが、本当に潔いというかもう理解を超えてて凄いとしか言いようがない。彼自身いろいろ思うことはあるんだろうけど、これで彼の信念が揺らぐことがないだろうことは間違いない。とにかく体には気をつけていただいて、不条理な2年半でも堀江さんなりに有意義に過ごした後、パワーアップして帰ってきてくれることを願う。

というわけで、ライブドアの一社員から見たとかいうのは最初だけであとはべつに会社と関係ない話になっちゃったけど、最後にひとつ。上のほうで、昔のことは知らないけど今のほうがきっといい会社だと思ってるって書いたけど、じゃあ堀江さんに対する見方が変わった今ではどう思ってるか。
 
聞いたかぎりでは、当時は今よりもずっとスピード感があって、様々なプレッシャーの中でいろいろキツい状況もあったみたいだけど、堀江社長の下で一丸となって働くことは、とても刺激的で充実感のあるものだったんだろうなと思う。まあ自分がその環境で務まったかどうかはなんとも言えないけど。どっちがいいかは一方を経験してないからはっきり言えないけど、おれは今のライブドアもやっぱりけっこういい会社なんじゃないかなと思ってる。というわけで、ライブドアで働くことに興味のあるエンジニアはyoshidaster at gmail.comまで連絡ください。(※おれに人事裁量権はないので採用を保証するものではありません)