ついにでた!ローリングストーンズ来日決定!!!
ザ・ローリング・ストーンズ[チケットぴあ|チケット情報・販売]
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というわけでちゃんとチケット確保できるのかという不安もありつつ早くも盛り上がってるわけですが、同僚のロックンロールなブロガーが「あ、おれストーンズの曲一曲も知らねえわ」なんてことを堂々とブログに書いちゃってるので、しょうがねえなー今からおれがストーンズについてのブログ書いてやるよということになった次第であります。ではいってみよう。

そんでそもそもストーンズは何がいったいそんなにすごいのか。
長くやってるからとか、あの歳なのにすごいとか、いろんなバンドが影響受けてるとかリスペクトしてるとか、なんかとにかくロック界の生きる伝説らしいからとか。まあいろいろあってそういうのもたしかにストーンズの偉大さを語るのにわかりやすいフレーズではあるんだけど、本質はそこじゃありません。

ストーンズは今なお現役で最強で究極のロックンロールバンドなんです。
その偉大さは大昔の伝説や過去の名曲によって成り立ってるわけじゃないんですよ。
だいたいストーンズの過去の名曲っていってもたいしたことないです。とか言いきっちゃうとそれはそれで怒る人いっぱいいそうだけど、もちろん当時のチャートで1位を取った曲もたくさんあるけど、それらを何の予備知識もなく今の耳で聴いたところでいきなり刺さる人はまずいないと思うし、もしいたらその人はよっぽどのロックンロール感性の持ち主じゃないでしょうか。

たとえばビートルズの名曲だったら普通の人が初めて聴いても「ああいい曲ね」と思える曲はたくさんあるでしょう。
ではストーンズではどうか。Satisfaction とか Jumpin’ Jack Flash を普通の人がいきなり聴かされても、埃をかぶった古くさいヘナチョコロックンロールでしかないはずで、どっぷりはまったストーンズフリークのおっさんが「これがカッコイイんだよ!!」とか力説したところで、たいていの場合「はあそうですか」くらいの反応しか返ってこないのは容易に想像できます。まあ「逆になんか新鮮!」とかはあるのかもしれないけどそれも本質とは違いますね。

これも言い古されたフレーズですが、ストーンズの本質はリズムなのです。本当にごく初期はまたちょっと違うけども(違うってのも実は違うんだけど)、ある時期以降のストーンズの音を決定付けて、現在まで続くその最大の特徴であり魅力の核心はリズムにあるのです。キース・リチャーズのギターとチャーリー・ワッツのドラムが刻むリズムに他の楽器が有機的に絡むことで唯一無二のグルーヴが生まれて、その上にさらにミック・ジャガーの粘着ボーカルが絡みつくことで成立するのがストーンズサウンドなのです。特に90年代以降のスタジオ作品やライブでの演奏においては、チャーリーのドラムこそがストーンズの核であり、ストーンズを聴くこととはチャーリーのドラムを聴くことである、というのが個人的に声を大にして主張したいところであります。

かつてロックンロールは若者による若者のための音楽と呼ばれ、長い間それが信じられてきました。そんな中でストーンズは老害認定されることもしばしばでしたが、このリズムというやつは初期衝動や若さによるエネルギーと違って、年齢によって減退していくことがありません。それどころかキャリアを重ねていくことによってさらに磨かれていき、より強靭でオリジナルなものへとなっていくのです。

そして現在のストーンズのグルーヴは、ここまでのキャリアを重ねてきた彼らだからこそ獲得できたものであり、これまでに歴史上に登場した他のどんなバンドにも追いつくことができない高みにあるわけなのであります。つまり、異論は様々あるかとは思いますが、僕が考える最強のストーンズとは現在進行形の最新型のストーンズにこそ他ならないということです。高い金取って緩くナツメロ再現してるだけのバンドだと思ったら痛い目見るよ!

というわけで、これからのストーンズ入門者には過去のスタジオ録音作品は最初からおすすめしません。もちろん一度はまり出したら全アルバムコンプリートせずにはいられなくなるような深みがそこにはあるわけですが、まずは代表曲とかいって曲単位でオリジナル録音のものをひょいひょいツマミ食いしてもあまりピンと来ないでしょう。
ここはいきなり最近の作品に行っちゃうとか、過去の曲を今のバンドの音と解釈で演奏されている最近のライブ音源から入ってしまうことをおすすめしたいです。

Doom and Gloom

ではさっそく意表を突いてまずは1番最近のスタジオ録音。去年ベスト盤をリリースする際に録音されたまっさらの新曲です。シンプルでストレートながら今のストーンズの魅力がしっかり伝わる良曲だと思います。


Start Me Up

続いて今年ロンドンのハイドパークで行われた野外ライブから。ハイドパークはストーンズにとってとても深い意味のある場所なんですがそのへんはとりあえず置いといて。


Midnight Rambler

最初これも同じハイドパークということで貼ってたんですが、これは2003年のNYマジソンスクエアガーデンでした。よく見ないでてきとうに動画選んでたのがバレバレですね。まあストーンズの10年前って最近って言ってもいいくらいです(笑)。


Jumpin' Jack Flash

最後に1番のおすすめはこちらのマーティン・スコセッシ監督のドキュメンタリー映画。まあ最初からこれを見ておけば一発でOKかなと思います。これ見てダメならたぶんあなたはストーンズと相性悪いでしょう。



というわけで、ありがちなストーンズ紹介エントリーとは一味違う内容になったのではないかと思います。まあだいたいのストーンズフリークなら常識みたいなことしか書いてませんが、常識すぎてあえて誰も書かなかったりすることもありますのでそれなりに意味はあるかなと。ロックに言葉はいらねえとかいう物言いがありますが、語らずにはいられなくなるのもロックであり、ストーンズ話は本当に深みにはまると尽きることがないので、そういう話ができる仲間が増えるのは大歓迎ですので、これを読んで新たにストーンズにはまったり、過去にちょっとだけ聴きかじったけどあらためて聴いてみようって人がいてくれたらいいなと思います。